公開買付け (こうかいかいつけ)
公開買付けとは、株券等の発行会社または第三者が、不特定かつ多数の人に対して、公告等により買付期間・買付数量・買付価格等を提示し、株券等の買付けの申込み又は売付けの申込みの勧誘をおこない、市場外で株券等の買付けをおこなうことをいう。なお、公開買付けの対象となる会社の取締役会の賛同を得ないで、買付者が公開買付けをおこなう場合を敵対的公開買付け(敵対的TOB)という。
企業の合併・買収件数の増加により、その手段の一つである公開買付けの件数も増えることとなった。しかし一部、市場内外等の取引を組み合わせた脱法的な態様の取引も出現するようになったことから、公開買付けの手続きは、株主・投資家・買付者に対して透明性・公正性を確保するべく、2006年12月に大幅に見直されることとなった。
【主な改正のポイント】
脱法的な態様の取引の防止
脱法的な態様の取引を防止するため、市場内外等の取引を組み合わせた急速な買付けの後、所有割合が1/3を超えるような場合は公開買付けによらなければならないことを明確化した。
公開買付けの対象となる会社の意見表明の義務付け
株主・投資家への情報提供を充実するべく、公開買付けの対象となる会社の意見表明を義務付けるとともに、対象となる会社から買付者に対して質問する機会を提供することとした。
公開買付期間を営業日ベースに変更
株主・投資家が公開買付けに応募することの是非について熟慮する期間、及び対象となる会社が対抗策を練るための期間を確保するために公開買付期間を実日数ベース(20日から60日)から営業日ベース(20営業日から60営業日)に変更した。
公開買付けの撤回や買付条件の変更
買付者と公開買付けの対象となる会社の公平なバランスを確保する観点から、対象となる会社が、敵対的買収に対する防衛策を発動した場合については、買付者による公開買付けの撤回や買付価格の引下げ等買付条件の変更を認めた。
株主・投資家間の公平性の確保
少数株主・投資家の保護を目的として、買付け後の所有割合が2/3以上となる場合には、応募のあった株式の全部を買い付けることを買付者に義務付けた。
競合する買付者間の公平性・透明性の確保
競合する買付者間の公平性・透明性を確保するべく、ある買付者が公開買付けを実施している期間中、すでに買付対象会社の株式を1/3超所有している別の者がさらに「5%超の買付け」を進める場合に、その者に対して公開買付けを義務付けた。