VaR(Value at Risk:ばりゅーあっとりすく)

VaR(Value at Risk:ばりゅーあっとりすく)とは~VaRは、時価会計への移行に伴い、企業、特に金融機関の保有資産リスクを評価するために考案された。金融資産を一定期間保有する場合、特定の保有期間内に、特定の確率の範囲内で評価される期待最大損失額と定義される。

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VaR(Value at Risk:ばりゅーあっとりすく)

通常、リスクとは不確実性のことを差し、保有している資産が利益が出ていても、逆に損失が出ていても、不確実性という言葉の限りにおいて損益の区別はない。

しかし、投資家にとってのリスクとは、やはり損をするという下方リスクのことを連想することが多い。現在保有している資産が、絶対金額としてどの程度、損失する可能性があるのか、過去の価格推移をもとに、統計的に測定する指標として用いられるのがVaRである。

VaRは、時価会計への移行に伴い、企業、特に金融機関の保有資産リスクを評価するために考案された。金融資産を一定期間保有する場合、特定の保有期間内に、特定の確率の範囲内で評価される期待最大損失額と定義される。特定の保有期間は、1日をとって測定をし、それを月単位で合計し、平均値を算出したりする。

企業は、このVaRを用いて、保有資産の値下りが最悪の場合、その金額がどの程度になるのかを認識することができ、これによって企業経営に与える影響を考慮して、資産構成を見直したり、損失に対して自己資本の増強などの確実な備えをしておくなど、具体的な施策をとることが可能になる。

【保有資産の価格変動の分布】

保有資産の価格変動の分布が、次のようになるとする。
グラフは、左(マイナス)に行けば行くほど、損失額が大きいことを示す。またグラフの高さは、それぞれの損益の発生しやすさを示している。なお、このグラフの面積は「100%」となる。つまり、すべての事象が起こる確率は100%になる。また、損益がある範囲(たとえば0万円~50万円の間)になる確率は、グラフのその部分の面積で表される。

ここで、起こり得る事象のうち、もっとも良い99%の状況は、色を塗りつぶした部分になる。この場合、可能性として損失額がもっとも大きいのが、一番左のマイナス100万円の点「Z99」である。このことは、損失額が100万円を上回る可能性が1%であることを示しており、この保有資産の「99%VaR」、または単に「VaR」は、Z99の点の損失額「マイナス100万円」となる。