インフレーション(インフレ) (いんふれーしょん)
モノやサービスの値段は、需要と供給のバランスで決められている。
需要と供給のバランスが崩れると、値段は変動する。この動きが、他のモノやサービス全般に広がっていくと、物価(モノやサービスを総合的に表したもの)が変動する。
一般的には、物価が継続して上昇する状態をインフレーション、略してインフレと呼ぶ。
【生産コストの上昇によるインフレ】
【通貨量の増大によるインフレ】
【インフレの影響】
インフレになるとモノの値段が上がる
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明日買うより今日買った方が安いので、人々は買い急ぐ
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貯蓄をしていても、相対的にお金の価値が下がってしまうので、多くの人々が消費に走り、結果として現金の需要が増える
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消費量の増加に対して、生産が追いつかないという状況が発生し、店に並ぶモノが減る。
物価はますます上昇し、このような循環現象が起こる。
インフレ率100%(=1年でモノの値段が倍になってしまうことを表す)であった場合、今100万円で買えるものが、来年には200万円出さないと買えないことになる。
このような状況下では、例えば、預金金利も通常は上昇するが、一般的にはインフレ率ほど上昇しない。インフレは金融資産を持っている人には不利にはたらくことが多い。
【インフレが起こる理由】
過去を例にとると、1970年代に第一次・第二次石油危機(オイルショック)が発生した。このときは原油輸出国の原油価格値上げに端を発して、ガソリンやビニールなどの石油製品からトイレットペーパーまでもが高騰した。
石油価格だけではなく、原材料や賃金が上昇し、生産コストが上がることによって、企業はその分を製品価格に上乗せするので、物価上昇が起きた。
また、世の中にあるお金の量が増えてもインフレが起こる。世の中にお金が増えると人々がモノを買おうとするが生産が追いつかず、モノ不足になり、物価が上昇するインフレもある。
【インフレの本質】
モノの値段がそのときどきで異なっていたら、いくら需要と供給のバランスで値段が決まるといっても、買い物をする時まで価格の見当がつかないのでは困る。食料品などの生活必需品の場合には、価格が安定していなければ計画的な家計が営めなくなる。
そもそも、モノの価格が変動しても、モノ自体の価値は短時間ではそれほど変わらない。物価が高騰したり下落したりする場合は、モノの価値自体が変化しているのではなく、お金の価値が変化しているのである。
【インフレと経済政策】
お金の価値が安定していなければ、日常の買い物に困るだけではなく、経済活動全体が困ることになる。例えば、翌月あるいは何カ月か先の取引をあらかじめ取り決める際に、金額をいくらに設定すればよいのか決めにくくなる。家計や企業の経済活動および金融活動を円滑に行うためには、取引の基準となるお金の価値を安定させる必要がある。
このお金の価値(=通貨の価値)を安定させる役割を持っているのが、日本の中央銀行である日本銀行である。日本銀行は、通貨価値の安定を図ることで物価を安定させ、ひいては日本経済を安定的に成長させる土台を作っている。経済政策を通じて、直接的に金融市場に働きかけることができるのである。
【インフレーションの状態】
スタグフレーション